この土地が好きになっていく

カテゴリ:暮らし

住む程にこの土地が好きになってゆく。

湖上に吹く風に心を洗われ、朝焼け夕焼けに遠く思いをはせる。

鮎、鯉、鮒にワカサギにウグイに海老に、四季折々にとれる琵琶湖の恵みを自らの知恵をしぼり道具でとる楽しみ、それを仲間で集って食べる楽しみ。

畑もはじめた。先生は隣で耕す90のササキばぁちゃん。作業の合間にふと話して笑い合って。種たちよ、このこぼれた笑いも全部肥やしにして大きく育つんだぞ。

そして今朝は、明日の年に一度の春の祭り、海津力士祭りの日に食べる料理のお手伝い。投網名人のスーパーじーじたちがとってきた巨大な鯉と鮒を朝から手際よく豪快に調理していく。

甘辛くたいて山椒の葉をまぶした煮付けと、刺身に魚卵をまぶすアライが昔から祭りの日の御馳走とされていて、この名人たちのとる魚は店頭でみたことのない程の大きさと、抜群の旨さ!まだここまでの大きさをとる甲斐性のない私達はいつもあやかり、すっかり大好物に。

そして夫は町民たちと着物に高下駄、手には一升瓶で、太鼓に合わせて唄いながら町を練り歩き、神社に祭りの成功をお参りに向かう。

行事は風土とそこに生きる人々を改めて根源的につなげてくれる。境界すらなくしてくれる。

私は、このマキノの風と、土と、水でできている。

2015年4月28日 晴天