ヨモギとワタシの時間
2014 / 04 / 30カテゴリ:染織
‘blog’を始める。
TwitterもFacebookとも無縁だったアナログな私には一大決心だけど、細々とやっていこうかな。
なぜ今日からか。
今日、春を染めたらあまりにきれいな色が出たから。
今朝窓を開けると、昨日の雨のせいで濡れた植物たちから沸き立つような緑の匂いがして、ふと高村光太郎の「五月のウナ電」の詩を思い出す。
「アオバ ソロッタカ」
新芽が緑の濃さを増し、勢いづいてきた植物たち。
「イソゲ イソゲ ニンゲンカイニカマフナ」
今この緑を、若き勢いをうつしとらなきゃ。
春は、草木は、待ってくれないのだ。はっとして、うん、そうだ、今日だ!とうなずく。
…………………….
「ヨモギ」
先日の新芽の頃は、これを天ぷらや餅やお茶にして楽しんだばかりなのに、今日見るとたった数日でグンと大きく成長している。
すぐ袋にいっぱい採取でき、早速かまどで炊きだす。
燃える薪の匂いとヨモギの匂いの中染色を始めると、ヨモギとワタシの会話が始まる。これがたまらなく胸を踊らせ、同時にピンとはった緊張感をもたらせ、唯一無二の時間なのだ。
染める時、織る時、いつも教えてくださった先生方が頭に浮かぶ。先生ならここでどうするだろう。
でももちろん、同じになんて絶対ならない。
先生の眼になんて、一生なれっこない。
少しずつ、自分のやり方を模索して、納得のいく色を自らの眼で見つけていく事が、草木で染めて機を織る限り一生の課題になるだろう。
色だけじゃなく、至福の時間と仕事への意欲の再確認をくれたヨモギに感謝して、今日はおやすみなさい。