静かな夜に。

カテゴリ:暮らし

満月の夜。
琵琶湖にそそぐ月明かりのもと、娘を腕に抱いて緩やかに湧き出る乳をやる。
父と息子は月明かりに誘われて魚とりに行った、
静かな夜。

娘の膨れた餅のような頰を月が照らしている。
ああ
母もこうして私を包んでいたのだろう。

琵琶湖が月の帯をひく。
遠く、田んぼでは蛙がないている。
あっちの田でないた
こっちの田でないた
もっと向こうの田でないた
もっともっと向こうでも

ひとすじに続く声に
古の時から連綿と続く、子を守る女たちの営みを想う
静かな夜に。

このもみじのような小さな手は何を掴むのだろう

毎日ひとつひとつ、発見の喜びを楽しんでいる娘。
じっとみつめて
ゆっくりさわって
そうっと口でたしかめる

思いっきり遊べよ
魂が喜ぶことをやれよ

そのために自分の声を聴け
すべきことなど
いづれ手が教えてくれる

父と息子、賑やかに帰ってきた。
隙間から漏れる灯りがせわしなくチラチラし、隣の部屋から嬉しそうに2人で水槽の掃除をしている声が聞こえてくる。
どうやら今日は、カマツカという魚がとれたらしい。

「水槽たくさん置ける木製ラックつくろっかなー」
「水槽専用木製ラック、カマツカ付き!とか新アイテムでいいかもなぁー」

・・・・遊んでばかりいるのも
考えものかもしれません・・・。

おやすみなさい。
2017.6.9