風と土の工藝 2014
2014 / 12 / 08カテゴリ:木工
高島のイベント、「風と土の工藝」が先日行われた。
高島への移住者や来訪者のことを風の人といい、元からの地域の方々を土の人という。うまいネーミングつけるなぁと思う。
手仕事の現場やその暮らしをオープンすることで交流をはかり、高島に住むことの魅力を感じてもらおうというイベントで、今年移住した私たちも参加させていただくことになった。
展示は彼の木工作品のみ、場所はいつも木の粉が舞う作業場、ギリギリまで仕事があり、息子も巻きこんで(抱っこ)とにかく必死で展示にかかりスタートをきった3日間。
それはとても貴重な3日間で、またこの気持ちに帰れるように、少しだけ記憶の断片を記しておきたいと思う。
朝は9時から薪ストーブをたき、誰かを待つ。ドアが開いて暗い玄関に逆光で人影が立っているのが見える。挨拶を交わす。
それはスタッフや出展者の方々だったり、パスポートでめぐる方たちだったり、知らせていた身内や友人だったり、、
寒く雪で足場も悪い中訪ねて来ていただいて、本当に感謝を思う。
皆さんの目にどう映ったかわからないけど、ずっと工場にこもっていた私が感じた事は、
日頃の仕事跡や作品がつくる空間の中で、来訪者の方々が作品にふれたり椅子に腰かけたり、薪ストーブにあたりながら制作やお互いの暮らしの話しをしたり。
会期中だけよそ行きの顔しておとなしくしてる機械や道具、カヌーや家具などの展示品、人も声も橙の照明も全てまぁるく調和したそれはひとつの世界、時間軸で、日常とは切り離されて過ごしたような、そんな不思議な感覚で過ごした3日間だった。
夜は最後の方が帰ると2人(+1人)で薪ストーブを囲む。音楽の音量をMAXにして、薪ストーブの上でカレーと豚汁をあたためる。
「なんか酒飲みたい気分になるなー」は彼。
疲れながらも満ち足りた気持ちで工場で晩御飯を食べる。
もちろん、作品が売れないことには私たちも生活が成り立たないのだけど、今回それより大事なたくさんの出会いや体験をいただいた風と土の工藝。
スタッフ、関係者の方々、遠くから足を運んできてくださった出展者、来訪者の方々、心より感謝します。
そして、3日間、準備片付けもいれるともっと。
よくぞ熱も出さずに付き合ってくれた、この世6ヶ月半の小さなスタッフにも心から感謝。
2014年 12月8日 月