夏を着た子供

カテゴリ:暮らし

夏を着た子供

浅黒く焼けた背中
焼け石の浜を歩いてまた固くなった足の裏

冬、土の中で根に静かに力を蓄え真夏の太陽を浴びて一気に成長する植物たち同様、
息子もこの夏、また一段と逞しくなった。

雨のない日はほぼ毎日琵琶湖に入る。
飽きもせず?
そう、微塵も飽きもせず!

保育園帰り、昼間の痛いほどの日差しはすっかり琵琶湖に溶けて、柔らかくあたたかくほてった身体をほどよく冷やしてくれる。
仰ぎ見れば空の移ろいは刻一刻とせわしなく、うっすら秋の気配を感じる夕暮れ時。

3歳の息子と7ヶ月の娘と、意味もなく水辺で戯れるこの時間が一番好きだった。

子供たちの夏が過ぎてゆく。
同時に、わたしの夏も過ぎてゆく。
早いお迎えに仕事もろくにせず、子供や仲間と遊んでばかり、怒ったり笑ったり、ああなんて忙しい。

楽しかった夏が過ぎてゆく。
もうすぐ水遊びができなくなるなんて、なんて寂しい。

いつか

息子は覚えているだろうか

一緒にワニ泳ぎしたことを。

桟橋からローリングジャンプしたことを

この波を

この空を

湖上の風を

私たちの笑い声を。

子育てはつまずいてばかり。
思うような答えなんてすぐに出ないし、先なんて全く見えない。
良し悪し評価されるようなものでもない。
毎日毎日、バタバタであっという間。

でも、子育てに終わりは確実に来る。

時は逝く。

子供にとっては今日が永遠に続いているのだろうけれど、
私には今日は過去になってゆく。

まだあどけない身体に太陽を宿したまま、大きなあくびと共に瞼を重ねていく。
その満足げな安らかな寝顔が、今日という日の答えなのだろう。

Booちゃん、写真とってくれてありがとう。
載せさせてもらいました。
宝物です。

2017.8.23

お父ちゃんとの夏の思い出もたくさん。
また来年はもっと色んなこと一緒にしようね。